静岡フロサポのサッカーブログ

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天皇杯3回戦 川崎フロンターレ vs 東京ヴェルディ

まえがき

推し同士の対決

2016年からサポーターをやっている川崎フロンターレと今年から追いかけている東京ヴェルディの試合。推しvs推しの対決です。

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東京ヴェルディは2000年までヴェルディ川崎として等々力陸上競技場をホームとして活動していたことから新旧川崎対決ともいわれていますね。川崎フロンターレヴェルディ川崎を区別するために川崎Fと表記されているのは有名な話。当時の川崎がスポーツの根付かない街だったとか、ヴェルディが調子乗ってたとか、フロンターレが地道な活動を続けた結果いまのスポーツの街川崎があるとかいろいろ愛憎まみれた話がありますが、まあそれは置いといて。

表にしてみるとフロンターレヴェルディは綺麗に立場が逆転していますね。

ということは今はなにかともてはやされているフロンターレですが、そのうちまた暗黒期がくるということ。あーおそろしい。

両チームホーム扱いの選手紹介!ただ実況は・・・

今回は天皇杯。ホームもアウェイもなく中立なので、観客席もちょうど半分でフロンターレ側、ヴェルディ側で分かれています。

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また、選手紹介も両チームホームで使われている映像で実施。

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ただ、スタジアムDJが選手紹介をするのではなく、中立な誰かさんが選手紹介。盛り上がりに欠ける・・・笑

選手名間違えてないのに「失礼しました」と謝ってしまうところも慣れてないですね。かわいい。笑

 

本当はヴェルディの方はスマートにカッコよく、フロンターレの方はカッコいい中に親しみやすさが滲み出る感じに仕上がるのですが、やっぱりスタジアムDJって大事ですね。

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過去の対戦成績

2000年、2005年、2008年の3シーズンしかカテゴリーが被っていないのであまり対戦は多くないですね。フロンターレ5勝、ヴェルディ1勝、引き分けが5回。最後の対戦が2013年の天皇杯。9年も前の話なのでまあ参考にならないですね。笑

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直近10試合の試合結果を見てみましょう。両者とも5月は過密日程でしたが、6月に入ってからは代表活動もありフロンターレはまだ2試合しかやってないですね。中断前の連敗を天皇杯札幌大戦でひとまず止めて、中断明けの札幌戦では先行された中での逆転勝利で状態は上向きになるか、というところです。

ヴェルディは6月も週1ペースでリーグ戦を消化。実は今月負けなし。とはいえ、リーグの大宮戦、秋田戦、横浜FC戦、岩手戦では先制しながら引き分けているというところが後味の悪さがあります。特に秋田戦では3-0の状態から、岩手戦では2-0の状態から引き分けているので、この脆弱な守備をどうにかしないといけないですね。

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城福監督に交代した初戦山口戦はクリーンシートですが、山口が序盤に退場者を出したことが大きいので評価が難しいところ。

ヴェルディが無失点でこの試合を終えることはまずないでしょう。

 

試合結果

メンバー・試合記録

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スターティングメンバー。

フロンターレは出場機会の少ないメンバーを多く起用。法政大から加入のルーキー松井蓮之(まつい れんじ)はACL天皇杯札幌大戦同様、本職のアンカーではなく右SBで起用。

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IHには小塚和季と横浜FCから新加入の瀬古樹(せこ たつき)。右WGに普段左WGで使われる宮城天が入りました。意外にもGKは丹野研太ではなくソンリョン。

ヴェルディは左SBに高卒2年目の佐古真礼(さこ まあや)、アンカーに高卒ルーキーの西谷亮(にしたに りょう)、IHに大卒ルーキーで本職右SBの宮本優を起用。

 

また、3トップは後半に使われることが多めのバスケスバイロン、新井瑞希、佐藤凌我を起用。

 

後半、フロンターレは3枚替え。

IHの瀬古、小塚を脇坂泰斗、橘田健人に、右WGを宮城から遠野大弥に。

ヴェルディは左SB佐古を下げて中盤の梶川諒太を投入。これに伴い右SBの深澤大輝が左SBに、IH宮本が右SBにポジション変更し、梶川がIHに。

 

フロンターレはさらにアンカーのシミッチを下げて家長昭博を右WGに投入、橘田をアンカーに落として右WGの遠野をIHへポジション変更。

さらに左WGのマルシーニョを小林悠と交代。悠が2トップ気味に1.5列目の位置を取り、4-3-3の左WGいないバージョン(強いて言うなら遠野が左WG)のようなフォーメーション。

試合終了間際には車屋紳太郎と佐々木旭がポジションチェンジし、車屋が左SB、佐々木がCBになりました。

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ハイライト

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スカパーの方がハイライトっぽいです。

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まさかのウノゼロでヴェルディがジャイキリ

この試合、仮にヴェルディが先制したとしても100%失点するだろう、絶対に両チームに得点が入るはずと思っていたこのゲーム。まさかヴェルディが1-0でフロンターレに勝つという1番あり得ないと思っていた結果となりました。いやいや、これまで3点取っても3点返されるような試合ばかりしてきたのにどうしたよって感じですね。やっぱJFK効果かなと思ったり。先制してから随所に時間を稼ぐようなアクションが見られたし。

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また、GKマテウスもビッグセーブ連発。トレーニングパートナーとしてセレソンのメンバーとプレーして意識が変わりましたかね。笑

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マテウス選手がブラジルA代表のトレーニングパートナーとして練習参加 | 東京ヴェルディ / Tokyo Verdy

 

フロンターレは終盤パワープレーをしましたが、ほぼ全て弾き返され、先に触ったとしてもセカンドボールを拾われ、全く効果的ではありませんでしたね。今までしてこなかったことをいきなりやってもうまくいかないの典型。やるなら山村を上げた方が良かったし。また、左SBを車屋にするのも遅すぎましたね。何回アーリークロスを弾き返されたと思ってるんですかね。

結果的には宮城のパスミスからの失点で負けたけど、フロンターレアイデンティティから言えば得点を奪えなかったことが1番の問題です。

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佐々木の課題が見えた試合

左SBで先発した佐々木旭にとって、引き出しの少なさという課題が見えた試合でした。

ボールを持っても縦に仕掛けることができないのがこの試合大きなネックとなっていました。特に試合終盤は左WG不在のような状態になり、左サイドの攻撃が佐々木1人に任された形になりましたが、佐々木は高い位置でボールを受けても右に切り返してからペナルティエリアの角あたりからのアーリークロスに終始。縦を突破して深い位置からの左足クロスは皆無でした。アーリークロスも効果的ではなく、簡単にヴェルディDFに弾き返されるかそのまま流れてゴールキックになるかという状態。

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これに痺れを切らした車屋とポジションを入れ替わり、車屋は縦へ突破してクロスを上げようとしていましたが時間が足りず。「右利きの左サイドバック」のデメリットが露呈する形となりました。

佐々木は結構足元の技術がしっかりしている印象がありますが、たしかに縦へ突破をするような印象はありませんでしたね。前線との連携から裏へ抜け出すというパターンもありませんし。ゲームを支配したいという中ではあまり目立ちませんでしたが、この試合のようにチームが点を獲りたいという中にいると、意外と枷になってしまうんですね。中にダミアンと悠がいるとはいえ、さすがにアーリークロス千本ノックでは決めきるのは難しい。

 

大卒1年目にして壁にぶち当たっています。奮起を期待。

 

左サイドで無双した新井瑞希

左WGで先発した新井は71分までプレー。特に前半は左サイドから積極的にドリブル突破を図りました。対面のDFが本職サイドバックではない上にそもそも出場機会がほとんど得られていない大卒ルーキーの松井蓮之だったこともあり、新井はほとんど意に介さずドリブルを仕掛け、必ずと言っていいほどフロンターレ陣内深くまでボールを運びました。

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1対1に勝ちまくっていたこともあってか味方選手もかなり露骨に新井にボールを集めていましたね。もはや戦術新井瑞希

ただ、この試合はシュートよりもラストパスを選択した場面が多かったように感じます。カウンターで自陣から敵陣までドリブルしまくっていたので、さすがにシュートまでパワーが持たなかったのかな。

 

フロンターレは伝統的に左サイドにはドリブラーを置きたがるし、三笘の残像に取り憑かれてる節もあるので来年フロンターレに移籍とかありそうな気がしますね。笑

そうなったら絶対ユニフォーム買う。笑

 

脅威になり続けたバイロン

バイロンは右WGとしてフル出場。序盤に2回ビッグチャンスを迎え、どちらも決め切れずに頭を抱えていました。しかし、ボールを持てば新井のようにドリブル突破を狙い、さらにたちが悪いのが被ファウル数が多かったので川崎DF陣からすれば嫌な存在だったことでしょう。

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また、家長とも一触即発のような状態にもなり、違う意味でもワクワクしましたね。笑

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リーグではスーパーサブとして結果を出してはいますが、城福政権になってからの2試合はともに先発。先発でもやれるというところをぜひ見せつけてほしいです。

 

青森山田時代は高校選手権で一躍有名になりましたが、その後を知っている人は案外少なく、ヴェルディに在籍しているということを知らない人が結構多かったみたいですね。

かくいう私もたまたまいわきFCサポーターとのご縁があったのでバイロンが高校卒業後いわきFCに加入していたことを知りました。青森山田時代(はテレビ観戦でしたが)、いわき時代と見てきた私にとって、J2移籍を決めたとき、J2の試合に出場しているのをスタジアムで生で見たときも感無量ではありました。いわき時代は練習場のような屋根のない人工芝のいわきFCフィールドで観客席からほんの数m先でプレーしていて、試合後はサポーターが気軽に話しかけに行けるような環境だったのが、ヴェルディに移籍してあの味の素スタジアムで、いわき時代とは演出もサポーターの数もすべてのスケールが段違いな場所でプレーしているわけですから。それがさらにJ1王者と試合をし、それも勝利に貢献する姿を見れて本当に嬉しいです。今後も頑張ってほしい。ぜひJ1で見たい。

 

佐古真礼、無難に前半を乗り切る

193センチの左利きと夢のある19歳センターバック佐古は左SBとして先発し、ハーフタイムで交代しました。

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昨季は藤枝へ武者修行しましたが10試合の出場にとどまり、ヴェルディへ帰ってきた今季も天皇杯秋田戦でフル出場したのみ、リーグではたった2分の出場と出場機会が得られていませんでした。

そんな中での本職ではない左SBでの先発。前にいるのがドリブラーの新井で、ガンガン前へ仕掛けていくので佐古は基本的に後ろに構えて新井からのバックパスに備える形となりました。守備では宮城&松井のユニットに危ない場面は作られたものの無失点で切り抜けました。

現状は馬場、ンドカ、平、谷口の4人の後塵を拝してベンチ外が続いていますが、前述の通りポテンシャルはあるので大成してほしいですね。

 

ルーキー宮本&西谷、堂々としたプレー

ヴェルディは高卒2年目の佐古以外にも、アンカーに高卒1年目の西谷亮、IHに大卒1年目の宮本優を起用。また、宮本は後半は右SBとしてもプレーし、ポリバレントさも見せつけました。というか宮本はボランチの経験はあるものの本職がDFらしく、城福監督に代わってから中盤もやるようになったみたいですね。

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両者ともにJ1クラブ相手に臆せず戦っていた印象。フロンターレと比べてヴェルディの層が厚いなと思ったのもこの2人の働きが大きいです。

アンカーのポジションにはU-21日本代表としてU-23アジアカップでフル稼働した山本理仁、そして経験豊富な加藤弘堅がおりベンチ入りするのも簡単ではないですが、頑張ってほしいですね。

 

あとがき

天皇杯3回戦、番狂せ多し

J2のヴェルディがJ1王者フロンターレ相手に大金星を挙げたわけですが、他会場でもジャイアントキリング、番狂わせが起きたみたいです。

web.gekisaka.jp

川崎フロンターレ J1 1-0 J2 東京ヴェルディ
栃木SC J2 2-0 J1 横浜F・マリノス
ザスパクサツ群馬 J2 1-0 J1 浦和レッズ
北海道コンサドーレ札幌 J1 1-2 J2 ヴァンフォーレ甲府
FC東京 J1 2(延長)3 J2 V・ファーレン長崎

 

今大会はアマチュアクラブが全チーム2回戦敗退し、順調に上位カテゴリーのクラブが勝ち進むのかと思いましたが・・・

まさかのJ2勢がJ1勢を食い散らかすという展開。

ジャイキリされた側はたまったものじゃないですが、めちゃくちゃ面白い。

 

長崎はFC東京相手に高校3年生安部大晴を先発で起用し、また高校2年生で2種登録の七牟禮蒼杜(ななむれ あおと)を82分から出場させるといった大胆な采配を見せました。

長崎、長崎U-18の高校2年生MF安部大晴の来季トップ昇格を発表 | ゲキサカ

 

 

JFKヴェルディの大逆襲

監督が堀孝史から城福浩に代わってからこれで2戦2勝。

初戦のJ2山口戦は相手に退場者が出た中での試合でしたが、今回はJ1クラブ相手にウノゼロの勝利。

2021年大会は2回戦でAC長野パルセイロフロンターレ相手にPK戦までもつれ込む戦いを見せ、その後のリーグ戦では6戦5勝1分、19得点4失点とブーストをかけました。ヴェルディも交代ブースト+川崎ブーストで波に乗れるか注目です。

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それを差し引いても前線からのプレッシャーやボールを握って相手陣地でプレーすることを重視しているJFKヴェルディ、もともと点の獲れていたチームということもあり失点の多さを改善できればJ1昇格プレーオフ圏内へ食い込むことは十分可能。

次節の千葉戦で真価を見ることができると思いますが、フロンターレ戦での各選手のプレーを見て正直私は期待しています。

 

フロンターレ なにか1つとりましょう

フロンターレが今年獲れるタイトルはリーグとルヴァンカップのみ。タイトルが獲れるようになったここ数年、毎年のようにACL、リーグ、ルヴァンカップ天皇杯の4冠を狙うと宣言しながらも早々に夢破れるというシーズンとなっています。ストレスためてるサポーターも多いことでしょう。

 

ただ、それでいいんです。

 

毎年なにか1つタイトルが取れればそれでいいんです。

 

獲れるタイトル全部獲りに行くし、獲れたら最高なのは間違いないですけど。

もともとはシルバーコレクター、無冠ターレと揶揄されていたんです。

それが毎年タイトルを獲り、海外リーグに選手を送り込み、代表の主力選手を大量に送り込み、ユースも強くて将来の中心選手を送り込めるようになっているんです。

 

4冠獲れないくらいどうってことない。

 

2017年、念願の初タイトルを獲ったシーズン。

優勝請負人としてガンバ大阪からやってきてリーグで10得点を挙げ、最終節大宮戦で先制点を挙げ優勝の立役者となった阿部浩之は、最終節後こう言いました。

 

「来年もう1つなにか獲りましょう」

youtu.be

web.gekisaka.jp

 

1つ1つコツコツと。焦れずに気長に4冠を獲るその日を待ちましょう。

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