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J3リーグ J2昇格争いプレビュー

 

今、J2昇格争いが面白い!

J3は現在28試合を消化しています。

J2昇格クラブはリーグ戦上位2クラブのみ。J1昇格プレーオフのようなものはありません。

ここで、順位表を見てみましょう。

順位 チーム 試合数 勝点 得点 失点 得失点差
1 いわきFC 28 63 60 19 41
2 鹿児島ユナイテッド 28 59 48 30 18
3 藤枝MYFC 28 58 49 24 25
4 松本山雅FC 28 54 35 22 13
5 カターレ富山 28 54 43 31 12
6 FC今治 28 53 45 29 16
7 AC長野パルセイロ 28 44 32 32 0
8 愛媛FC 27 42 40 33 7
9 福島ユナイテッド 28 38 33 34 -1
10 FC岐阜 28 33 38 45 -7
11 ギラヴァンツ北九州 28 32 30 35 -5
12 アスルクラロ沼津 28 30 23 33 -10
13 テゲバジャーロ宮崎 27 29 30 39 -9
14 ガイナーレ鳥取 28 28 42 51 -9
15 ヴァンラーレ八戸 28 28 24 42 -18
16 SC相模原 28 23 26 39 -13
17 カマタマーレ讃岐 28 21 20 40 -20
18 YSCC横浜 28 18 18 58 -40

首位はJ3昇格1年目のいわきFC。序盤戦から安定した戦いを見せて首位独走しています。

続く2位が鹿児島ユナイテッド。2018年にJ3で2位になりJ2昇格を果たしましたが1年で降格。エースFW米澤令衣、今季からチームに加わったFW有田光希が得点を量産し、J2復帰へ向けて奮闘中です。

この2クラブが序盤から昇格争いをリードしています。

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出典:J. League Data Site

 

鹿児島を勝点1差で追うのが藤枝MYFC。昨年7月にOBの須藤大輔氏が監督に就任し、”超攻撃的エンターテインメントサッカー”を打ち出して大躍進。オフシーズンには退団選手15人、新加入選手14人と大幅な入れ替えを断行。今季序盤は12位まで順位を落としましたが、そこから驚異の追い上げを見せています。

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少し勝点が離れたところに4位松本山雅、5位カターレ富山、6位FC今治と続きます。松本はJ3全18クラブの中で唯一のJ1経験クラブ。シーズン前はJ2昇格の大本命と目されていましたが、昇格圏内にはなかなか入れず。我慢の戦いが続いていましたが最近瓦解気味。富山はJ2014年にJ2からJ3に降格してから常に上位争いに加わってはいるものの昇格には届かず。2021年に横浜F・マリノス湘南ベルマーレ清水エスパルスの社長を歴任した左伴繁雄氏を社長に迎え、生まれ変わりを目指しています。6位FC今治岡田武史元日本代表監督が会長を務め”岡田メソッド”で話題になったクラブ。J3参入3年目となる今季は上位陣をジャイアントキリングしまくって上位につけています。

 

残り6試合。

 

昇格争いは8位愛媛まで可能性が残っていますが、あくまでそれは数字上の話。鹿児島と愛媛の勝点差は17まで開いており、鹿児島が残り6試合全敗し、愛媛が全勝しない限り越えることはできません。7位の長野も同様で、鹿児島とは勝点差が15あり、鹿児島が5敗しないと勝点で並ぶことはできません。昇格争いするチームがいきなりそこまで乱調になることはさすがににないと思います。

昇格争いは実質6位今治まで。残り6試合で勝点差6。鹿児島が2敗する可能性は十分あると思います。

また、後に述べますが勝率を見てみるとホーム勝率2位は現在5位の富山、そしてアウェイ勝率2位は現在6位の今治となっており、残り試合の開催地は昇格争いをしていく上で大きな鍵となる可能性があります。

 

J3は残り6試合 第32節がアツい!

J3も終盤戦、残すところあと6試合です。

順位 チーム 勝点 第27節 第28節 第29節 第30節 第31節 第32節 第33節 第34節
1位 いわきFC 63 H 讃岐
4〇1
A 鳥取
3○1
A 沼津 H 愛媛 A 宮崎 H 鹿児島 A 相模原 H YS横浜
2位 鹿児島ユナイテッド 59 H 長野
4〇1
A YS横浜
1○0
H 宮崎 A 福島 H 愛媛 A いわき H 岐阜 A 富山
3位 藤枝MYFC 58 H YS横浜
4〇1
H 松本
1○0
A 富山 H 宮崎 A 鳥取 A 今治 H 福島 A 長野
4位 松本山雅FC 54 A 沼津
0△0
A 藤枝
0●1
H 岐阜 A 今治 H 長野 A 富山 A 宮崎 H 相模原
5位 カターレ富山 54 H 相模原
1○0
A 岐阜
3○1
H 藤枝 A 八戸 H 今治 H 松本 A 北九州 H 鹿児島
6位 FC今治 53 H 鳥取
3○0
A 相模原
2○0
A YS横浜 H 松本 A 富山 H 藤枝 H 長野 A 八戸

 

注目は第32節。上位6チームによる直接対決が待っています。ここで昇格争いの大勢が決まると思います。

第32節対戦カード

 

各チームのホーム&アウェイ勝率

ホーム勝率:鹿児島、富山、藤枝が7割越え

ホームの勝率は鹿児島がトップの79%。次いで富山が77%、藤枝が73%と7割を超えています。首位いわきは勝率は64%であまり高くないですが、ホームではまだ1敗しかしておらず、そういう意味ではホームで強いと言ってもよいと思います。

順位 チーム 試合 勝率
1 鹿児島 14 78.6 11 1 2
2 富山 13 76.9 10 1 2
3 藤枝 15 73.3 11 1 3
4 いわき 14 64.3 9 4 1
5 松本 14 64.3 9 2 3
6 今治 14 57.1 8 2 4

 

アウェイ勝率:いわきがダントツの71%

アウェイの勝率はホームの勝率と比べて低めとなっています。そんな中、いわきだけアウェイで2桁勝利を挙げており、勝率はダントツトップの71%となっています。2位の今治が57%なのでめちゃくちゃ異常です。

今治はホームの勝率もアウェイの勝率も同じ57%で波がなく、それはそれで驚異的な数字です。今治も鹿児島も勝率は同じですが、鹿児島はアウェイで5敗しています。

順位 チーム 試合 勝率
1 いわき 14 71.4 10 2 2
2 今治 14 57.1 8 3 3
3 鹿児島 14 57.1 8 1 5
4 藤枝 13 53.8 7 3 3
5 松本 14 50.0 7 4 3
6 富山 15 46.7 7 2 6

 

各チームの展望

1位:いわきFC 堅守沼津とのアウェイ決戦に注目

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いわきは第32節に2位鹿児島とホームで直接対決。いわきはホームの勝率が64%と意外にも上位陣の中では低めの数字。ホームでは1敗しかしていませんが、引き分けは4試合。ただ、鹿児島は逆に引き分けの試合が極端に少ないチーム。白黒つくのか引き分けるのか、非常に読みづらい一戦です。

 

鹿児島戦以外は上位陣との試合がなく、このまま1位フィニッシュする可能性が高いのではないかと思います。

 

しかし、個人的には第29節のアウェイアスルクラロ沼津戦も面白い一戦になると思っています。

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沼津は現在12位で、勝点30、23得点33失点です。しかし、ホームに限ると勝点25、16得点10失点であり、勝点の80%以上をホームで稼いでいる計算になります。また、ホームでの失点が少なく、未だ3敗しかしていません。

負けた相手は福島、今治、鹿児島の3チーム。このうち福島には0-5で負けていますが、ホーム開幕戦でガチガチに緊張した中での5失点。ホーム14試合で10失点していますが、そのうち5失点がこの福島戦なので、ホームは13試合5失点しかしていないことになり、守備がめちゃくちゃ堅いことがわかります。事実、今治、鹿児島相手には負けたものの0-1と僅差の試合になっています。また、松本相手にはスコアレスドロー、また富山相手にはウノゼロで勝利しており、いくらいわきといえども油断できる相手ではないかもしれません。

試合を見ている感じ、沼津は塩試合に持ち込むのがうまいという印象でしょうか。シーズン開幕当初は繋ぐサッカーを志向していたものの、上手くいかなかったため途中からキック&ラッシュのサッカーに転換。そしてここ数節は5バックで後ろを固めるシーンが増えています。いわきが沼津の堅守を崩せるのか注目です。

 

2位:鹿児島ユナイテッド 最終節富山戦がカギ

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鹿児島は第32節のアウェイいわき戦のほか、最終節にアウェイの富山戦が待っています。そして鹿児島はアウェイでは8勝1分5敗という成績ですが、勝率が57%とあまり高くない上、勝てなかった場合1分5敗と負けが先行しています。富山はホーム勝率が77%。そういう意味では最終節富山戦はかなり鬼門なのではないかと思います。

今季甲府から加入したFW有田光希が得点ランキング14得点、エースのFW米澤令衣が得点ランキング3位の12得点を挙げており、チームの得点数もいわき、藤枝に次ぐ48得点で3位。この攻撃力を発揮できるか注目です。

 

3位:藤枝MYFC 得意のホームは2試合のみ

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藤枝は序盤戦で12位まで順位を落としたものの6連勝で昇格争いに一気に名乗りを上げました。直近では8戦無敗の現在3連勝中、前節は昇格争いのライバルである松本を下して波に乗っています。

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ただし、得意のホームでの試合は残り2試合のみ。ひたすらアウェイでの試合となります。そして、次の試合はアウェイ富山戦。今季、藤枝は富山とはリーグ戦だけでなく天皇杯でも対戦していますが、2戦2敗と勝てていません。そもそも富山とは過去17試合していますがまだ2勝しかしていません。超相性悪いです。その上今季の富山はホームで強いです。

しかも藤枝はワントップの渡邉りょうを出場停止で欠いた状態。渡邉の前にワントップを務めており、序盤戦のトップスコアラーだった土井智之は消息不明。

ただ、これを乗り越えれば上位陣との試合は今治戦のみ。U-19アジアカップ予選で無双し、その後のJ3でも勢いを維持しているFW千葉寛汰を抑えることができるかが鍵になりますが、

 

4位:松本山雅FC 3試合勝ちなしから立て直せるか

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松本は最下位YSCC横浜にホームで0-1で敗れてからアウェイ沼津戦でスコアレスドローで終え、4位に順位を落とすと、藤枝との直接対決に敗れリーグ戦3試合勝ちなしとなりました。沼津戦、藤枝戦の静岡アウェイ2連戦ではサポーターが大挙しホームジャック。沼津戦ではバス待ちをするほどの気合の入りようでしたが結果は振るわず。

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上位対決は今治と富山が残っており、ここで勝てるかがポイント。そしてもう一つの大きなポイントが、第31節の信州ダービーです。ここで勝てないようだと雰囲気も含めて終戦になってしまうのではないでしょうか。

U-19日本代表FW横山歩夢も含めここ3試合ノーゴールの攻撃陣の奮起が期待されます。

 

5位:カターレ富山 得意のホームで監督交代ブースト

富山は残り6試合のうち4試合が昇格争いのライバルであり、めちゃくちゃ貧乏くじを引いているように見えます。しかし、この4試合はすべて得意のホームで行われます。

富山はホーム勝率が鹿児島に次ぐ2位の77%。ホームでは2敗していますが、それは第3節の北九州戦と第5節の岐阜戦であり超序盤です。そして、アウェイでの勝率が7割という狂った成績を叩き出しているいわき相手にも引き分けに持ち込んでいます。

富山は9/17の沼津戦での敗戦後に石崎信弘監督から小田切道治監督に交代。その後3戦3勝と勢いに乗っています。巷では新監督になったことで選手が適材適所に配置されるようになり、伸び伸びプレーできているとのこと。

富山としては勢いに乗った今、得意なホームで昇格争いのライバルを食いまくって2位に食い込みたいところ。まずは次節の超相性の良い藤枝戦ですね。

 

6位:FC今治 覚醒したFW千葉寛汰が牽引

今治はホーム、アウェイともに勝率が57%で波が少なく、上位陣相手でも平気で勝つ超厄介なチームです。いわき相手に唯一シーズンダブルを食らわせたチームです。(ちなみに9月のいわき戦は千葉寛汰はメンバー外でした。)

というかそもそも上位相手にめっぽう強く、ホーム鹿児島戦とアウェイ松本戦以外は全勝しています。

日程 スコア 相手
3月20日 第2節 2○1 H カターレ富山
4月17日 第6節 1〇0 A いわきFC
5月15日 第9節 0●1 H 鹿児島ユナイテッド
5月29日 第10節 1●2 A 松本山雅FC
6月19日 第13節 2〇1 A 藤枝MYFC
8月28日 第22節 4〇3 A 鹿児島ユナイテッド
9月18日 第25節 1〇0 H いわきFC
10月23日 第30節 H 松本山雅FC
10月30日 第31節 A カターレ富山
11月6日 第32節 H 藤枝MYFC

 

今治はそもそも厄介な相手ですが、5月に育成型期限付き移籍清水エスパルスから加入したFW千葉寛汰が9月のU-20アジアカップ予選で覚醒し、さらに厄介な相手になりました。アジアカップ予選には格下しかいなかったとはいえ、追加招集という立場ながら3試合で9得点という狂気じみた得点力を見せました。代表から帰ってきてからもその勢いは衰えず、代表から帰ってきて3試合で4得点

これから試合をする松本、富山、藤枝は食われるかもしれません。

 

まだ終わりの見えないJ2昇格争いに注目!

いかがだったでしょうか。正直いわきの優勝は堅いと思いますが、2位争いはまだ決していないというのが私の見立てです。特に5位富山、6位今治にとって残り試合は有利なシチュエーションが多いので、今はまだ上位にいる鹿児島や藤枝、松本は足をすくわれる可能性が高いのではないかと思います。上位陣での直接対決も多く残されていますし、まだどう転ぶかわかりません。

個人的には藤枝にJ2昇格してほしいので、富山と今治には藤枝戦以外で頑張ってほしいです!